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スプリアス規格の改正新規格への対応について

改正の背景

スプリアス規格の改正は、社会・経済活動の多様化に伴い、情報通信の役割が急速に高まったことや、技術発展により無線システムの高度化・多様化が進展したことを背景に改正されました。

ITU(国際電気通信連合)では、不必要な電波をできる限り低減させるため、世界無線通信会議(WRC)において無線通信規則(RR)が改正されました。この改正は、WRC-97,WRC-2000及びWRC-03の3回の会議を経て実施されました。

電波法令の改正

日本国内においても、異なるシステム間での混信の防止や、電波の有効利用の観点から、より一層の不必要な電波発射の低減が求められ、平成16年11月の情報通信審議会の答申を踏まえ、平成17年12月1日に電波法令が改正されました。

従来は、主に高低調波のみの規制でしたが、領域の定義に加え、高低調波の規制のほか、基本波の近傍についての規制も新たに追加されました。また、この規制の確認の方法として、従来は無変調でのみ確認していましたが、改正後は、基本波の近傍は無変調で、近傍の外側は実使用状態(変調をかける)で確認するように変更されました。電波法令では、文言の定義は電波法施行規則により、規格の許容値などは無線設備規則において定められました。

経過措置

このスプリアス規格に改正に伴い、二つの経過措置が設けられました。一つは免許等に関するもの、もう一つは旧規格の無線設備の使用期限に関するものとなっています。

経過措置の内容と期限は、以下のとおりです。
・免許等に関する経過措置: 旧規格の無線設備による免許等は、平成29年11月30日までに限る。
・旧規格の無線設備の使用期限: 旧規格の無線設備の使用期限は、平成34年11月30日までに限る。

新スプリアス規格への対応

総務省は、全無線局を対象に、この新スプリアス規格への対応に関する具体的な手続きの方法を、平成27年9月に公表しています。公表された方法は以下のとおりです。
 ①新規格の無線設備への切り替え
 ②無線設備のアンテナ端子と空中線との間にフィルタを設置し対応
 ③使用している無線設備の実力値を測定し許容値を満足する場合は届け出を行う

②の無線設備のアンテナ端子と空中線との間にフィルタを設置する場合の方法では、当然ながら事前に実力値を測定し、許容値を超える部分をカットするフィルタを設置する必要があります。また、②および③の実力値を測定する場合、測定器は較正等を受けて1年以内のもので測定する必要があります。

アマチュア局における特例

総務省は、平成28年6月30日付で「アマチュア局の無線設備の保証に関する要領」を改正し、スプリアスの確認に係る保証を追加しました。これにより、アマチュア局向けの新スプリアス規格への対応方法として、アマチュア局の保証手続きによることが認められました。

JARDでは、この新しい保証に対応することを前提に、平成28年2月から旧規格のメーカー製無線設備を対象とした実態調査を実施し、平成29年7月1日現在で974機種についてスプリアス確認保証可能機器としてリストアップしています。

スプリアス確認保証

JARDでは、平成28年2月から実施した旧規格の無線設備を対象とした実態調査の結果を踏まえ、新スプリアス規格を満足することをJARDが確認した無線設備を対象に、新たにスプリアスの確認に係る保証(スプリアス確認保証)の業務を、平成28年9月から開始しています。

※このスプリアス規格の改正前に製造等された旧スプリアス規格の無線設備について保証を受ける場合には、無線設備規則第7条に定める「帯域外領域のスプリアス発射の強度の許容値」および「スプリアス領域の強度の許容値」の審査のため、主に運用されている周波数帯およびモードにて確認(実測)されたスペクトラムアナライザーの画面の写真などを資料として提出していただくことをお願いしています。